だから、仕事も頑張れる。
街をつくる人 - INTERVIEW.03
技術第3部 / 技術(河川砂防・森林土木) / 主査
S.S
北大卒の北海道出身。農業経済学を専攻後、自然と人の共生をテーマに建設コンサルへ。砂防・災害関連事業に従事し、32歳で技術士取得。自然を理解する土木技術者を目指す。
もともと環境問題に興味があり森林学を志していましたが、最終的には農業経済学を学ぶことになりました。
そこで視点を変え、「人間社会の仕組み」という側面から自然との関わりを研究していました。
学問とは別に、個人的には山に登ったり、ヒグマの研究グループで活動したりと、自然との接点は常に持ち続けていましたね。
「何らかの形で自然に関わって生きたい」と、ずっと思っていました。
高校時代に読んだ森林生態学者・四手井綱英先生の本が原点です。
本には、里山のように人と自然が関わり合うことで成り立つ生態系について書かれており、深く感銘を受けました。
「こういう場所を守る仕事がしたい」と漠然と考えていたことが、
中山間地域で自然と共生する暮らしを支える、今の仕事に結びついていると感じています。
自然に深く関われる仕事を探す中で、建設コンサルタントという業界を知りました。
もともと東海地方に縁があったこともあり、岐阜で働くことを決めました。
入社当初は森林土木を担当する予定でしたが、
当時は砂防分野が多忙で、砂防施設の点検業務を中心に多くの現場を経験しました(笑)。
老朽化した施設が増えているため、それらを適切に管理するための仕事です。
そこから徐々に、砂防施設の計画や本来希望していた森林土木関係の業務にも携わるようになりました。
豪雨で土砂が民家に流れ込んでしまった渓流での、砂防堰堤の建設計画です。
緊急性が高かったため、施工中の土石流発生リスクも考慮し、上流にセンサーを設置するなど安全管理にも細心の注意を払いました。
正直、ものづくり自体に強い執着はないのですが、完成した堰堤を見たときは「おお、設計通りだ」と素直に感動しましたね。
一番は「安全で安心な暮らし」の提供です。
効果が見えにくい部分ですが、日々の経済活動や生活の基盤を守る、重要な役割だと思っています。
私たちの仕事は、自然を力で制圧するのではなく、共存するための対策でもあります。
豊かな自然に囲まれた、豊かな暮らしの実現に貢献できたのではないでしょうか。
タイトなスケジュールの中、県庁の方と直接やり取りする機会が多く、コミュニケーション能力が鍛えられました。
もともと得意ではなかったのですが、相手に伝わる資料づくりや、意見の汲み取りを意識することで、大きく成長できたと感じます。
また、人の命に直結する仕事の責任を全うできたことで、技術者としての自信にもつながりました。
人々の生活を支えている、という実感です。
特に中山間地域で、自然と共に生きる人々の暮らしのお手伝いができる。
社会的意義の大きな仕事であることに、やりがいを感じています。
「公正」であることです。
技術者として対策や方針を判断する場面で、地元の要望や発注者の意見に耳を傾けつつも、技術的に曲げてはいけない一線は守る。
曖昧にせず、根拠を持ってしっかり対応することを常に心がけています。
専門外の分野からこの世界に入ったので、必死で知識を身につけようと資格取得に取り組みました。
今後は技術者として一人前になるのはもちろんですが、
もともとの興味を活かし、「自然のこともわかる土木技術者」を目指していきたいです。
後輩の立場に寄り添うことです。
一方的に指示するのではなく、相手の考えを汲み取った上で的確なアドバイスをするようにしています。
特に「多角的な視点を持つこと」の重要性を伝えています。
「こういう可能性はないか?」「自分に見落としはないか?」と、常に自問自答できる技術者になってほしいですね。
穏やかな人が多く、リラックスして働けるところ。
大企業のようなガツガツした雰囲気はなく、社員一人ひとりの成長に合わせて仕事を任せてくれる。
恵まれた環境だと思います。経営層が若いので、働き方改革が進みやすいのも大きいですね。
緊張感とリラックス感が程よく両立していて、自然体で仕事ができる環境だと思います。
中小企業ならではかもしれませんが、一人ひとりにちゃんと目を向けてくれていると感じられる点です。
それが安心感につながっています。
穏やかな社風が、自分の性格に合っていて過ごしやすいです。
あと、最近休憩室に水槽が設置されたのは、個人的にとても良いことだと思っています(笑)。


街を歩けば木も草も生えているし、虫もいる。
そういうのを見つけては写真を撮るなど、プライベートではなるべく自然に意識を向けることを大切にしています。
子どもにも身近なところから自然との触れ合いをしてもらいたくて、何かと口実をつけて、山登りや川遊びへ誘導しています(笑)。
先日は東海自然歩道を歩きました。道の駅から4キロ歩いて廃村へ向かい、そこから山を登ったり沢を降りたり。
結局20キロ以上歩きました。会社のサークル活動に子どもを連れて参加できるのもありがたいですね。
川遊びや水族館など、仕事とプライベートの両面で自然に触れられる環境に感謝しています。
